ロータリーとは
 ロータリーは、世界中の事業および専門職務のリーダーからなる世界規模の組織で、人道的奉仕活動を行い、職業における高い道徳基準を奨励し、世界中で親善や平和を築くための助力をしています。およそ120万人のロータリアンが、200カ国以上に所在する36,843のロータリー・クラブに所属しています。ロータリーは非政治的、非宗教的な人道的組織で、1905年に創立されました。
 ロータリー・クラブの会員は、地域社会の事業や専門職務に従事する男女を代表しています。世界中のロータリー・クラブは毎週例会を開き、非政治的かつ非宗教的で、あらゆる文化、人種、信条に開かれています。
 国際ロータリーのロータリー財団は、国際的な人道的奉仕プログラムや教育的・文化的交流を通じて、世界の理解を推進する非営利法人です。この財団はロータリアンおよびより良い世界のビジョンを分かち合うその他の人々からの自発的寄付によってのみ支えられています。1947年以来、財団は人道的および教育的補助金として米貨11億ドル以上を授与し、これらの補助金は各地の地元ロータリー・クラブや地区によって生かされ、管理されてきました。

ロータリー・クラブは何をするのか
 ロータリーの標語である「超我の奉仕」は、地域社会や職場、および世界中を通じてロータリーの目的を反映しています。ロータリーは、今日の緊急問題に取り組む社会奉仕プロジェクトを開発しています。また、青少年のためのプログラム、学生や教員、他の社会人のための教育機会や国際交流のプログラム、職業開発プログラムなども支援しています。ここにロータリーの中心的活動分野をいくつかご紹介しましょう。

  • ポリオ撲滅:1985年、ロータリーの会員はポリオのない世界を実現することを誓いました。ポリオ撲滅に対する20年にわたる取り組みは、現在までで最大規模の民間部門支援による世界的保健推進活動となっています。
    • 20億人近い世界中の子供たちに予防接種を与えるため、ロータリーは既に米貨5億ドルを寄付し、無数のボランティア活動を提供してきました。
    • 今日、世界には数百人のポリオ患者しかおらず、年間35万人以上の子供がポリオによって身体麻痺に冒されていた1988年と比べ99.8パーセント減少しました。
  • 国際教育:ロータリーは、国際奨学金の民間の資金源としては世界最大です。毎年千人近い大学生が、他国に留学するためにロータリーの奨学金を受領しています。また、各地のロータリー・クラブは高校生の交換プログラムも行っており、毎年8千人近い高校生が3カ月から1年の外国留学に派遣されています。

  • 平和:明日の平和維持活動家や外交官を育てる活動の一環として、ロータリーは最近、世界7つの有名大学に「平和および紛争解決の分野における国際研究のためのロータリー・センター」を創設しました。このプログラムは、毎年、世界競争制の下で選考される70名のロータリー世界平和奨学生に、紛争解決の分野における修士課程教育の機会を与えるものです。
  • 識字率向上:ロータリー・クラブは、世界中で非識字に対する闘いに取り組んでいます。その一例として、タイのロータリー識字率向上プログラムがあります。このプログラムによって学校で退学者が激減し、その結果、タイ政府によってタイ国内のすべての学校でこのプログラムが採用されました。
ロータリーの誕生とその成長
ポール・ハリス
 20世紀初頭のシカゴの街は、著しい社会経済の発展の陰で、商業道徳の欠如が目につくようになっていました。
 ちょうどそのころ、ここに事務所を構えていた青年弁護士ポール・ハリスはこの風潮に堪えかね、友人3人と語らって、お互いに信頼のできる公正な取引をし、仕事上の付き合いがそのまま親友関係にまで発展するような仲間を増やしたい、という趣旨でロータリークラブという会合を考えました。ロータリーとは集会を各自の事務所持ち回りで順番に開くことから名付けられたものです。
 こうして1905年2月23日にシカゴロータリークラブが誕生しました。
 それからは志を同じくするクラブが、つぎつぎ各地に生まれ、国境を超えて、今では世界200か国以上の地域に広がり、クラブ数37,183、会員総数1,201,101人(2023年6月15日RI公式発表)に達しています。
 そして、これら世界中のクラブの連合体を国際ロータリーと称します。
 このように、歴史的に見ても、ロータリーとは職業倫理を重んずる実業人、専門職業人の集まりなのです。その組織が地球の隅々にまで拡大するにつれて、ロータリーは世界に眼を開いて、幅広い奉仕活動を求められるようになり、現在は多方面にわたって多大の貢献をしています。
ロータリーのはじめの4人
左からガスターバス E.. ローア
    シルベスター・シール
    ハイラム E. ショーレー
    ポール・ハリス


日本のロータリー
米山梅吉
 わが国最初のロータリークラブは、1920(大正9)年10月20日に創立された東京ロータリークラブで、翌1921年4月1日に、世界で855番目のクラブとして、国際ロータリーに加盟が承認されました。
 日本でのロータリークラブ設立については、ポール・ハリスの片腕としてロータリーの組織をつくり、海外拡大に情熱的に取り組んだ初代事務総長チェスリー・ペリーと、創立の準備に奔走した米山梅吉、福島
福島喜三次
喜三次などの先達の功を忘れることができません。
 その後、日本のロータリーは、第2次世界大戦の波に洗われて、1940年に国際ロータリーから脱退します。戦後1949年3月になって、再び復帰加盟しますが、この時、復帰に尽力してくれたのが国際ロータリーの第3代事務総長ジョージ・ミーンズでした。
 その後の日本におけるロータリーの拡大発展は目覚ましいものがあります。ロータリー財団への貢献も抜群で、今や国際ロータリーにおける日本の地位は不動のものになりました。現在、日本全体でのクラブ数は2,216、会員数84,523人(2023年5月末現在)となっています

ロータリーの綱領
ロータリーの綱領は、有益な事業の基礎として、奉仕の理想を鼓吹し、これを育成し、特に次の各項を鼓吹育成することにある:
第1 奉仕の機会として知り合いを広めること
第2 事業および専門職務の道徳的水準を高めること;あらゆる有用な業務は尊重されるべきであるという認識を深めること;そしてロータリアン各自が業務を通じて社会に奉仕するためにその業務を品位あらしめること

第3 ロータリアンすべてがその個人生活、事業生活および社会生活に常に奉仕の理想を適用すること    

第4 奉仕の理想に結ばれた、事業と専門職務に携わる人の世界的親交によって国際間の理解と親善と平和を推進すること。
四つのテスト
ロータリアンとロータリー・クラブは、四つのテストと呼ばれる職業奉仕の水準を守るよう奨励されています。これは、1954-55年度RI会長のハーバート J.テーラーの考案したもので、下記に示す通り、簡単な四つの設問から成るテストです。これは、職業奉仕だけでなく、すべての奉仕部門、実質上あらゆる生き方に直ちに応用することができます。次のようなものです。
言行はこれに照らしてから

1. 真実かどうか        2. みんなに公平か
3. 好意と友情を深めるか   4. みんなのためになるかどうか
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